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  • 朝野裕一

運動を促すアプローチ2

ここからしばらくは、参考図書に沿ってお話を進めようと思います。

行動変容というお話をしていましたね。ピンとこない言葉かもしれませ

んが、人に何らかの行動を促す介入を含めた考え方と捉えてください。

人が運動を習慣とする行動に変化するためにはどうしたらいいのか?

どうして行動を変えるに至らないのかなどについてのお話です。

人はどうして山に登るのか?そこに山があるから。といった問答にも

なるかもしれませんが、ここでは人それぞれの好み・やらないではいら

れない渇望というか原動力はなんだろうという話とはまたちょっと別の

視点のお話になると思います。

さて、

人の行動を変容させる介入にあたって様々なアプローチがあることは

前回お話ししました。

そのいくつかを少し掘り下げてかつ簡単に紹介していこうと思います。

まず挙げらているのが(参考図書に準ずる)、トランスセオレティカル

・モデルというものです。

運動などを促す際には、個々の対象に合わせてその相手の状況(体力の

レベルや運動や健康に関する理解度など;レディネスと呼んでいます)

に応じた介入をする必要があるという考え方が根底にあります。

当然といえば当然のことです。

まずは対象相手にこれから運動を行う習慣づけをしていきましょう、

という関わりに対する準備が整っていることが必要だということです。

この理論では、人の行動やレディネスには5つの段階(ステージ)が

あるとしています。

そして人はこの螺旋階段上のステージを登ったりあるときは降りたり、

行きつ戻りつしながら進んでいくと規定しました。

そして、

それぞれのステージに応じた介入方法を考える必要性を説いています。

個々人がいまどのような状況(ステージ)にいるかを把握した上で、

アプローチを考えましょうということですね。

5つのステージが存在するという規定の他に、重要な概念が提唱されて

いるので、 ざっとご紹介しておきます。

5つのステージの他に、

行動変容の過程(プロセス)として10の過程があり、対象となる人が

意思決定するには、その負担(コストといってもいいかもしれません;

コンズ=cons)と恩恵(利益といっていいでしょう;プロズ=pros)

が当然伴うわけで、その重み付けをどう考えるか。

※英語の慣用句で、pros and cons プラス面とマイナス面・賛成と反対

という言い方があります※

最後に、

行動変容が自身でできるな、という見込み感(セルフエフィカシーと

呼んでいます)です。

さらにその先にその人ひとの願望なり達成欲なりがある方がいいだろう

と個人的には思います。

次回もこのトランスセオレティカル・モデルについてお話しします。

ここまで読んでいただきありがとうございました。また明日。

参考図書)

「アクティブ・ライフスタイルの構築ー身体活動・運動の行動変容

研究」(竹中晃二・著、早稲田大学出版部、2015年.)

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